リベラルアーツ学院

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あなたは正しく世界が見えていますか?ー『ファクトフルネス』

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どうも、くるみ学長です!

今回は、2020年上半期ベストセラーである『ファクトフルネス』について講義します。

 

早速ですが、下の3つの問題が解けますでしょうか?

問1:世界で最も多くの人が住んでいるのはどこでしょう?

A、低所得国 B、中所得国 C、高所得国

問2:世界の平均寿命は現在およそ何歳でしょう?

A、50歳 B、60歳 C、70歳

問3:いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいるのでしょう?

A、20% B、50% C、80%

 

答えはこの記事の最後に載せておきます↓

おそらく多くの人が間違えたのではないでしょうか?

間違えても気にしなくて構いません。

なにせ、高学歴の専門家でも間違える問題なのですから。

 

著者であるハンス・ロスリングさんは、こういった間違った思い込みをしている人があまりにも多いことを危惧して、世に蔓延っている勘違いを正し、

「世界を正しく見る」ために、この『ファクトフルネス』を書きました。

 

あなたは"世界が悪い方向に向かっている"と思ってはいないでしょうか?

それを今から正していきましょう!

 

 

世界を正しく見る『10個の本能』

人には本能があります。その本能は「世界を正しく見る」のを邪魔してしまうことがあります。まずはその本能を知って改善していきましょう。

本著では、10個の本能を紹介しています。

それぞれ見ていきましょう!

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分断本能

あなたは世界が「豊かな国」と「貧しい国」の2つしかないと思っていないでしょうか?実際は、「中間層」がほとんどです。

こういった「〜である」「〜でない」の2つに分けてしまいたい本能を『分断本能』といいます。

 

この分断本能を抑えるためには、

大半の人がどこにいるかを探すクセをつけましょう!

 

ネガティブ本能

ニュースのほとんどがネガティブな情報です。それがなぜかわかりますか?

なぜなら、ネガティブな情報の方が、圧倒的に耳に入りやすい本能があるからです。

これをネガティブ本能といいます。

 

こういった悪いニュースばかり見ていると、「世界は悪くなっている」と思い、暗い気持ちになってしまいます。

 

このネガティブ本能を抑えるには、

悪いニュースの方が広がりやすいことを覚えておきましょう!

 

直線本能

次のグラフを見てください。

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あなたはこのまま人口が増え続けると考えるかもしれません。

しかし、実際はなだらかに下がったり横ばいになるのです。

 

こうした直線のグラフを見て、「このまま増え続ける」と感じてしまうことを直線本能といいます。

 

この直線本能を抑えるには、グラフにはさまざまな形があることを知っておくことが重要です。

 

恐怖本能

あなたは「誘拐事件」、「飛行機事故」などのニュースを見て何を思いますか?

「またこんなこと起きたのか。こわいなぁ。」

って思いませんか?

ですが実際には様々な「怖い出来事 」は社会の発展とともに減りつつあります。

 

必要以上に世界を怖がってしまうことを恐怖本能といいます。

 

これを抑えるには、リスクを正しく計算することが大事です。

 

過大視本能

「生活保護の不正受給額は170億円です。」

あなたはこれを聞いて、「多すぎる!生活保護費の額をもっと減らせ!」

と思うかもしれない。

しかし実際は、不正受給額は生活保護費全体の216分の1だ。

比べる対象も見ずに、結論を決めてしまうのは早計です。

 

人はただ1つの数字がとても重要であると勘違いしてしまう。これを過大視本能といいます。

 

これを抑えるには、比較したり、計算を使って分析するクセをつけることです。

 

パターン化本能 

あなたは「アフリカの問題」と「アフリカの国々」をひとくくりににしてはいないでしょうか?

アフリカの全ての国が問題を抱えているわけではありません。

たった1つの例だけを見て全てのパターンに当てはめてしまった結果です。

 

人は無意識に物事をパターン化してそれを全てに当てはめようとします。

これをパターン化本能といいます。

 

これを抑えるには、自分が思っているパターンは本当に合っているか時々疑うことが大事です。 

 

宿命本能

あなたはアフリカの人々は貧乏だから短命だと思っていないだろうか?

実際はチュニジア、アルジェリア、モロッコ、リビア、エジプト、この5カ国の平均寿命は世界平均の72歳を上回っている。

 

昔も今も、文化・宗教は変わらないと考えてしまうことを宿命本能といいます。

 

これを抑えるには、何事も少しずつ変化していき、やがて大きな変化になることを覚えておくことだ。

 

単純化本能

あなたは何か問題を解決する時に、ひとつの視点だけで解決しようとしていないだろうか?

実際は様々な角度から問題を見た方が、正確に解決できることの方が多い。

 

こういった、たったひとつの視点を過信して世界を理解しようとすることを単純化本能といいます。

 

これを抑えるには、ひとつだけでなく様々な視点から物事を理解しようとすることが必要です。

 

犯人探し本能

最近、コロナウイルスの大流行で世界が大変なことになっています。

その中で「中国が悪い。」

という言葉をネットでもよく見かけるかもしれません。

 

でも大切なのは、その背景にあるもっと「根源的な原因」を探すことではないでしょうか?

 

人は「誰かを責める」ことで溜飲を下げ、他の原因をないがしろにします。これを犯人探し本能といいます。

 

これを抑えるには、「誰かを責める」よりも、「他に原因がないか」を探すことが大事です。

焦り本能

目の前に危機を感じると人は、本能的に「すぐ動かないと大変なことになる。」と感じます。これを焦り本能といいます。

実際は冷静に考えて行動することで正確に問題を解決できることが多いです。

 

これを抑えるには、「すぐ動かないと大変なことになる。」と感じたら、自分が焦っていることを自覚することが大事です。

 

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最後に

いかがでしたでしょうか?

さすがベストセラーだなと私自身感動しました。

10個の本能を知ってから世界を眺めてみると、意外に「世界は良くなっている」ことに気づくはずです。

 

本書には、1つの本能につき、たくさんの具体例とその実践方法を提示してくれます。

その具体例を見た方が「10個の本能」に納得し易いのでぜひ手にとってみてください!

 

『ファクトフルネス 』ハンス ・ロスリング

目次


イントロダクション
第1章 分断本能
第2章 ネガティブ本能
第3章 直線本能
第4章 恐怖本能
第5章 過大視本能
第6章 パターン化本能
第7章 宿命本能
第8章 単純化本能
第9章 犯人捜し本能
第10章  焦り本能
第11章  ファクトフルネスを実践しよう
おわりに

 

最後まで御観覧ありがとうございました!

もしこの記事を読んで、為になったなと感じてくれた人は、

ぜひ、スターをつけるか読者になってくれると嬉しいです!それではまた!

 

問題の答え:問1、B 問2、C 問3、C