どうも、くるみ学長です。
今回は「日本仏教史」の続きです!
前回は、飛鳥時代から平安時代までの
仏教史を見ていただいたと思います。
前回のまとめ
①海外から輸入した仏教と、
日本独自の「神道」をなんとか混ぜることで、
中央集権化を進めた。②奈良時代までは、
「仏」は「神」よりも
上の存在として扱われていた③平安時代になると、
「仏」=「神」という同等の関係になる
今回は、平安時代〜現代まで
仏教がどのような歴史を辿ってきたかを見ていきます。
それでは早速参りましょう!
仏<神の時代
第4章:鎌倉時代
1:鎌倉の新仏教
今までの仏教は、
厳しい修行ができる(時間がある)
貴族が行うものでした。
一方で、今日生きるので大変な農民達にとって、
厳しい修行はできず(時間がない)、
「自分たちは救われないのだ」
と考えていました。
そんな中、
「唱えるだけで救われる」
「坐禅するだけで救われる」
などのお手軽な6つの宗派が生まれました。
6つの宗派とは、浄土宗、浄土真宗、
日蓮宗、時宗、臨済宗、曹洞宗です。
このような、
お手軽な宗派は
「新仏教」として民衆に広く流行ります。
2:本覚思想
民衆達はこの時代、
「あの世で救われる」
よりも、
「今、この世で救われたい(現世利益)」
と考えるようになりました。
そうなると、
海外から来る「仏」よりも、
現在ここにいる「神」の方が大事
という思想に世の中が切り替わってきます。
これを「本覚思想」といいます。
第5章:南北朝・室町・戦国時代
1:唯一神道
南北朝時代、日本が乱世のこの時代に、
慈遍(じへん)という人物が後醍醐天皇に
「神道を大事にしていきましょう。」
と進言します。
もう一度、国家のアイデンティティを取り戻すために、
仏教ではなく、天皇に通づる神道を
中心にしましょうと進言したのです。
室町時代になると、この慈遍の進言を引き継ぎ、
唯一神道(神道でやっていこうぜという思想)が
世の中に流行っていきました。
ここまで徐々に仏教から神道に中心が
移り変わってきましたが、
ここで完全に「仏教」より「神道」が上になります。
2:仏教徒弾圧
戦国時代になると、暴徒化した仏教徒にたいして、
織田信長などの実力者が仏教徒を弾圧していきます。
仏と神、役割分担の時代
第6章:江戸時代
日本の思想体系の確立
江戸時代になると遂に、
天才・徳川家康によって
日本の「宗教観」の核となるものができます。
宗教を利用して国を運営するには
「三宝」が必要だと前回、お話ししたと思います。
- 信仰対象(仏)
- 思想体系(法)
- 組織運営(僧)
江戸時代の
信仰対象は、天皇です。
天皇をトップにし、
幕府は天皇に政治を任されたという正統生を示します。
思想体系は、中国から輸入した儒教が使われました。
「上の者に逆らってはいけない」という思想を、
長い年月を費やして民衆に植え付けます。
そのことで幕府(上の者)に民衆が逆らうことは
「悪」だとさせることに成功します。
組織運営に、仏教が使われました。
「寺」に民衆の戸籍を登録させることで、
民衆の管理が容易になりました。
このように仏教は区画整理・戸籍などの
組織運営に利用されるようになります。
こうして
信仰対象は、天皇(神道)
思想体系は、儒教
組織運営は、仏教
が担うことで、
現在まで使われる国家の仕組みが完成するのです。
最終章:明治時代・戦後
海外に対抗するために、
国のアイデンティティを強く主張して
盛り上げようとした明治政府は、
天皇陛下を中心とした絶対的な思想を確立するのに
神道が最も有効だと考え、
神道中心で政策を進めます(国家神道)。
しかし、戦争に負け、
GHQのマッカーサーによって
神道中心の政策が防がれます。
そして現在のような、
信教の自由、政教分離の時代となったのです。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
日本の仏教は、
①国家とまとめるために、
海外の仏教(思想体系)を輸入し、
日本なりにアレンジしてきた。②アレンジした結果、
海外と日本の仏教は全く違う宗教となった。
これが、複雑と言われる日本の仏教の真の姿です。
考えてみれば、
日本は「漢字」も中国から輸入しました。
中国の漢字も日本なりに
使いやすいようアレンジを加え、
現在使用されている「漢字」に進化しました。
日本は海外に学び、
それを日本なりにアレンジすることが
得意な国だということができますね。
そういった、
日本のこだわりの無さ、曖昧さ
私は好きです。
皆さんはどうでしょうか?
これにて「日本仏教史」の講義は終了です。
それではまた!
初心者の為の「仏教」本
1:反応しない練習
2:知識ゼロからの仏教入門
3:教養として学んでおきたい仏教
最後まで御観覧ありがとうございました。
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