リベラルアーツ学院

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わかりやすい『米中覇権戦争』〜予測編〜

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どうも、くるみ学長です。

今回は最後の『米中覇権戦争』の講義となります!

 

前回は『米中覇権戦争』がどのように始まったのかをお伝えしました。知らないという方は、下記にURLを貼っておきますので、ぜひご覧ください!

liberalartsblog.com

 

その上で、「現代の戦争」と「昔の戦争」は全く違うとお伝えしたと思います。

では、何がちがうか?それを今回はお伝えします。

それでは早速参りましょう!

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1:現代の「戦争」の仕方


戦争と聞くと皆さんは、「殺し合い」を想像すると思います。ですが、現代の「戦争」は違います。


アメリカも中国もお互い「核ミサイル」を持っています。もし、どちらかが核ミサイルを打ったら、共倒れしますよね。

 

ですので、絶対とは言い切れませんが、殺し合いはしないと思います。

 

では、他の戦争の方法とはなにか?

3つあります。それは

①情報戦
②外交戦
③経済戦

です!それぞれ解説しましょう。 

①情報戦

情報戦とは、敵国を「悪魔化する」ことを言います。
敵国を「悪魔化する」ことで、世界的に孤立させるのが目的です。

 

例えば、韓国の慰安婦問題。

韓国は慰安婦の事を世界に発信しまくりました。

慰安婦がどうだったかはさておき、日本はあまり声をあげませんでした。

その結果、慰安婦問題において日本は「悪』と批判されます。

こういった「悪魔みたいなイメージ」を他国に植え付けさせて、孤立化させることを「情報戦」といいます。

②外交戦

自国の仲間を増やし、敵国と同盟国の関係を裂く戦略です。敵国を孤立させる目的で行われます。

 

例えば、中国の「AIIB」です。アメリカ以外の国で、お金の面で同盟を組んでいます。アメリカは経済的に孤立してきています。 

③経済戦

トランプが中国に対して行なっている関税引き上げが、経済戦です。
経済的に追い詰めることで、白旗を挙げさせます。

 

このように現代の戦争とは、
「敵国を孤立させれば勝ち」
ということがわかりますね。

2:米中覇権戦争の行方

ではこの3種類の戦争は現在どのように進んでいるかを見ていきましょう!

①情報戦

情報戦は現状、アメリカが有利です。

なぜなら、中国は「人権侵害国」だと世界中で広く認知されているからです。
これからもアメリカは「ウイグル問題」・「香港問題」を情報戦として取り上げてくることが予想されます。

②外交戦

外交戦は現状、中国が有利です。

「一帯一路」、「AIIB」、「BRICS」などの枠組みを使い、経済的な味方を増やしています。

 

一方、アメリカは微妙です。
トランプは「アメリカ・ファースト」と唄いながら各国と協力しようとしません。


トランプは、中国だけに集中して戦えばいいのに、欧米や日本にも喧嘩を売るという始末なのです。

③経済戦

経済戦は現状、アメリカが有利です。

アメリカの対中輸入は、中国の対米輸入より3倍以上多いからです。同率の関税をかけあっても、中国の被害は、単純に3倍大きいことになります。

 

以上、3種類の戦争のうち2つが現状「アメリカ有利」です。 

3:中国の不安要素

3種類の戦争において、アメリカに先行されている中国は、他にも不安要素が3つあります。それは


①中国の経済悪化
②共産党一党独裁
③外交戦さえも不利になっていく
この3つです。

 

それぞれ解説しましょう!

①中国の経済悪化

最近、中国のGDP成長率が鈍化しています。

なぜなら中国は国家として、「成熟期」に移行したからです。

 

中国は今まで「安い人件費」でモノを作れました。

しかし国の経済が潤うと必ず、相対的に「人件費」が上がっていくのです。

 

他国から来ていた企業は、安い労働力を欲しているので魅力がなくなるのは必然です。
そうなると企業は、中国から他の「安い労働力」がある国へ引っ越してしまいます。

企業に引越しされると、経済が鈍化し、国家が衰退を開始します。

 

かつての高度経済成長時代からバブル崩壊を経験した日本も同じ過程を経てきました。

こういった国家の過程を「中進国の罠」ともいいます。

 

それに加えて、中国人の人口が減ってきています。なぜなら皆子どもを作らなくても済むからです。

 

貧乏だと、子どもを多く産んで働かせるというのが通例です。
しかし、お金に余裕があると、産む子どもの人数は減っていきますよね。

 

このように、
「成熟した経済による人口減少と、それに伴う賃金の引き上げ」

がこれからの中国を襲うのです。

②共産党一党独裁

共産党による一党独裁は中国の「弱み」です。

なぜでしょうか?

 

民主主義国家の強さは

「革命なしで政権交代を起こせる」

ことにあります。
人々の不満や鬱憤は政権交代によって晴らせることができるのです。
コロコロ政権が変わることで時代の潮流にのれることもあります。

 

ですが、一党独裁国家はその逆です。
「革命しなければ政権交代を起こせない。」

 

世界史を勉強するとわかるのですが、中国は常に革命によって滅んでいます。

さらに、習近平は周りに言うことを聞く人間しか置いていません。

 

今の中国は、共産党の独裁ではなく、
習近平、たった独りによる独裁といってもいいのです。

たった1人に権力が集まる国家は腐敗し衰退します。これは中国の歴史をみてもあきらかです。

 

今は経済がうまくいっているので人々は反発しませんが、もしも中国の経済が悪化すると、人々は反発するはずです。

 

中国14億人 VS 共産党員

どちらが勝つと思いますか?

③外交戦さえも不利になっていく

さきほど外交戦では中国は有利だといいましたが。
もし、中国の経済が悪化するとなると事態は変わります。

 

現在は、多くの国がチャイナマネー欲しさに中国に協力しています。それが例え、人権侵害国家であっても。

 

しかし、先ほど言った経済悪化が本当に起きるとチャイナマネーは当然減りますね。

そのチャイナマネーが減るとなると、多くの国が協力する必要がなくなります。


「お金があまりない人権侵害国家」

こんな国に寄り添う国はいないはずです。

そうして中国はアメリカに対して、外交戦さえも不利になっていくと予測されています。

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 さいごに

 

以上、現在の3種類の戦争と、これからの中国の不安要素を考えれば、米中覇権戦争は

「アメリカが勝つ」

と推測できます。しかしあくまで推測です。

 

これからの米中の動向は、必ず日本も影響が出てきます。

他人事では決してないのです。

 

未来を予知できる人はいません。

しかし、常にニュースを注視して、その動向を監視する必要があります。なぜか?

 

あなたには世界の動向を変えることができませんが、

世界の動向に対応することができるはずだからと私は思います。

 

これにて、わかりやすい『米中覇権戦争』の講義は終了です!

最後までご閲覧ありがとうございました。

それではまた!

参考文献・オススメ本

『米中覇権戦争の行方』扶桑社

『China 2049』日経BP

 

 

 

最後まで御観覧ありがとうございました。

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それではまた!