リベラルアーツ学院

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わかりやすい『米中覇権戦争』〜開幕編〜

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どうも、くるみ学長です!

今回も『米中覇権戦争』の講義の続きをしたいと思います。

 

前回は歴史編ということで、米中がどんな関係だったのかについて、ざっくり歴史を振り返りながら見ていきました。まだ見てないという方は↓にリンクを貼り付けておきますので、ぜひ見てください!

liberalartsblog.com

 

その上で今回は、米中覇権戦争がどのように始まったのかについて解説したいと思います!ぜひ最後までお付き合いください!

それでは早速参りましょう。

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前回のおさらい

まずは軽く前回のおさらいをしておきましょう。米中の関係は、歴史を振り返ると

①最初の米中は対立関係(1940年〜)

②対ソ連で米中同盟(1960年〜)

③アメリカが中国を育てる(1970年〜)

④冷戦終了で再び米中対立関係(1989年〜)

⑤米中「金儲け」同盟(1993年〜)

⑥米が衰退、中国が牙を剝く(2000年〜)

という感じでした。

米中は、時には対立し、利害関係が一致すれば協力するという関係でした。しかし、アメリカが経済的にも、地位的にも衰退していくと、中国が遂に覇権を狙いにきます。その過程を見ていきましょう。

1:米中覇権戦争の兆し

現在の「米中覇権戦争」は、リーマンショック以後から兆しがありました。

米中「金儲け」同盟再び

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まず知って欲しいのは、中国がリーマンショックの影響をほとんど受けていなかったことです。

中国のGDP成長率を見ると、

2008年9.6%・2009年9.2%・2010年10.6%、2011年9.5%

です。むしろ上がってます。

 

ここから中国はこう考えるようになりました。

「もうアメリカは怖くない、次の覇権は中国が握る」

そして、そのような考えは態度や行動に現れていきます。

 

首脳会議では横柄な態度を取るようになり、

2010年には中国尖閣漁船衝突事件がおきます。中国漁船が海上保安庁の巡視船に体当たりした事件です。

 

横柄な態度、そして、他国の領土を侵略しようとする行動。

こういった行為が増え、世界が中国を危険視するようになっていきました。

 

もちろんアメリカも中国を危険視すると思いますよね。

ですが逆にアメリカは中国に接近します。なぜでしょう?それは

「チャイナマネー」

が欲しかったからです。

 

100年に1度の大不況に苦しむアメリカは成長を続ける中国に寄り添うことで、経済を回復しようと考えていました。

 

ですが、ある人が中国の首席になってから事態は変わっていきます。

その人物とは?

習近平です。

習近平の「夢」

2012年、安倍政権が樹立します。その1か月後に習近平体制が始まりました。

 

習近平は毛沢東に強い憧れを抱いています。毛沢東はどんな人物だったか覚えていますか?一言で言えば、

「神」になりたかった男

ですね。

 

習近平は毛沢東に倣い「神」になろうとしています。これは個人的解釈ですが、あながち間違いでは無いと思います。

今や共産党員の中で習近平に逆える者はいません。一党独裁どころか、完全に独裁国家となっている状況です。

 

習近平には「夢」があります。それは

①中国をアジアNo. 1にすること

②2049年までに中国がアメリカを抜いて、世界No. 1になること

この2つです。

確かに中国が世界一になれば、その中のトップ、習近平は「神」といえるレベルかも知れませんね。

 

①は既に達成しています。2010年、中国は日本を抜いてGDP世界2位になりました。

②はこの米中戦争で決着がつくでしょう。

2:オバマ大統領と中国

 

オバマ大統領の時代は中国のことをどう思っていたのでしょうか?

2013年時点では、中国を全く警戒していませんでした。

 

しかし、オバマ大統領も中国を「最大の脅威」と認識する事件が起きます。

それは「ALLB事件」です。

AIIB事件

「AIIB」は「エーアイアイビー」とそのまま読み、訳すと「アジアインフラ投資銀行」と訳します。

 

何をする銀行かというと、

名前の通り、アジアのインフラを整備するためにつくられた「国際金融機関」です。

 

しかし実際、「AIIB」は中国が支配しています。

そんな中国が支配しているものに、もちろんアメリカは加入しませんでした。

ですが、アメリカと仲の良いイギリスが参加を表明します。これは、驚くべきことです。

 

アメリカはイギリスに、

「AIIBに加入するな」

と言っていたのです。なのにイギリスはそれを拒否して加入した。

 

イギリスが入ると、フランス、ドイツ、フランスなど「親米国」が次々参加しました。

現在はなんと100カ国も加入しています。

 

これは大事件です。なぜかわかりますか?

覇権戦争とは?

AIIB事件は

「アメリカの覇権が喪失した事件」

とも言われています。

 

そもそも覇権とはなにかわかりますか?覇権とは、

覇権国家が他の国に命令できる状態

なのです。

今までは「世界の警察」として、世界に指示をしてきたアメリカが担っていました。

 

今回のALLB事件はどうでしたか?

アメリカの命令を拒否して、イギリスをはじめ「親米国」が次々「ALLB」参加しました。そして、AIIBのボスは中国です。

 

つまり「AIIB事件」は、アメリカが覇権を喪失すると同時に、

「中国が覇権一歩手前まで来ている」

ことを示す大事件でした。

 

米中覇権戦争はこの「AIIB事件」から始まったと言っても過言ではないのです。 

そしてここでやっとオバマ大統領は

「アメリカ最大の敵は中国だ」

と認識するようになりました。

 

そこからオバマ大統領は、中国に対して厳しい対応をし始めます。

3:トランプ大統領VS習近平

ついに、皆さんお待ちかねのトランプ大統領です。

2017年にトランプは大統領に就任します。

トランプ大統領は選挙中から「反中」で知られていました。

トランプ・クーデター

大統領就任後も、そのまま「反中」で行くだろうと誰もが思っていました。そして、習近平と対談します。

 

なんとその対談から態度をコロリと変えました。

ウォールストリートの取材で、中国について聞かれたとき、

「我々の関係は非常に良い」

「私は彼のことがとても好きだ!」

と発言したのです。

これを、「トランプ・クーデター」と呼ばれています。

一体何が起こったのでしょう?

 またまた中国の工作

「クリントン・クーデター」を覚えていますか?

クリントン大統領が「反中」から「親中」にころっと変わったことです。

その理由は、「中国の工作」が原因だったと前回、お話ししたと思います。

 

「トランプ・クーデター」でも同じです。

トランプの愛している娘達に中国が接近。それに加えて、経済が苦しいアメリカに

「アメリカに100万人規模の雇用を創出する」

と中国は約束しました。

 

中国はトランプ近辺の人達を「親中」にし、

前のように「金儲け同盟」を組もうと話を持ちかけたのです。

 

まんまと乗せられたトランプは、中国のことが大好きになってしまいました。

しかし、現在トランプは中国が大嫌いです。

何が起きたのでしょう?きっかけはなんと、

「北朝鮮問題」

でした。

北朝鮮問題

ミサイルをばんばん打つ北朝鮮。

皆さんはそろそろ飽きてるかもしれませんが、

これは大問題です。

 

「北朝鮮問題」を解決すれば、アメリカの歴史に残る偉業です。

そこでトランプは解決に動きました。

 

そして、トランプは中国に対して協力を呼びかけます。

なぜなら、北朝鮮の貿易の90%が中国だからです。中国がやろうと思えば、北朝鮮は崩壊します。

 

ですが、中国は一向に協力しません。というより逆に支援していることが分かったのです。そうした「中国の裏切り」にトランプは激怒します。

そして、ここから「米中覇権戦争」が始まりました。

4:米中戦争開幕

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中国に裏切られ、激怒するトランプ。

トランプは中国の貿易に対して報復として関税を上げまくります。

「I am Tariff Man!!(私は「関税男」だ!)」 

と言うぐらいです。

 

それに対し、けじと中国もアメリカへの貿易に対して関税を上げまくります。

そうした中、現在も収まらない「新型コロナ大流行」が起きました。

 

世界は不安に包まれている中、中国は、香港国家安全法を適用し、香港人を弾圧しています。またチベットの少数民族の弾圧も行っています。

それに対してもアメリカは、関税以外にも次々と中国に対して経済制裁を繰り出します。

 

「人権侵害・領土略奪」を繰り返す中国をアメリカは止めることができるのでしょうか?それとも中国が本当に覇権を握ってしまうのか?

それはまだ誰もわかりません。 

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まとめ

 今回の内容をまとめておきましょう!

①「チャイナマネー」欲しさにアメリカが中国と、同盟を組む

②「ALLB」事件でオバマ大統領が中国を警戒し、米中関係悪化

③「トランプ・クーデター」で米中再び同盟関係

④「北朝鮮問題」で米中関悪化

⑤米中覇権戦争開幕

こんな感じですね。

 

皆さんは「戦争」と聞いてもピンとこないと思います。

なぜなら武力衝突していないから。

しかし、それはあくまで第2次大戦の時代のイメージなのです。

「現代の戦争」は、昔の戦争の仕方と全く違っています。

 

では「現代の戦争」とは、どんな戦争でしょう?

それは次回に譲ります!

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それではまた!

参考文献・オススメ本

『米中覇権戦争の行方』扶桑社

『China 2049』日経BP

 

最後まで御観覧ありがとうございました。

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それではまた!