リベラルアーツ学院

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わかりやすい『米中覇権戦争』〜歴史編〜

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どうも、くるみ学長です。

今回からの講義は、『米中覇権戦争』についてです!

 

米中の争いはニュースでも多く取り上げられていて、知っている方も多いのではないでしょうか?「米中覇権戦争」とも呼ばれていて、この争いは間違いなく、未来の教科書に載ります。

 

その上で、皆さんの中には

「え、今戦争してるの?」

「なんで戦争しているの?」

「中国とアメリカはいつから仲が悪くなったの?」

などの疑問がある方も多いはずです。

ですので今回からは、そんな方に向けてわかりやすく解説したいと思います! 

 

今回は、「アメリカと中国が今までどんな関係だったのか?」

について見ていきましょう!

 

参考にした文献はこの本です↓

 「日本一のメルマガ」を書いている、北野幸伯さんの著書『米中覇権戦争の行方』です!

「米中覇権戦争」について、データ・ファクト・ロジックに基づいて、すっごくわかり

やすく解説してくれます。

ぜひ、皆さんにも手に取って頂きたいところなのですが、

 

その前にこの記事を読んで、ざっくりと知って頂ければなと思います。

それでは早速参りましょう!

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1:対立するアメリカと中国(1940年〜)

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アメリカと中国との関係は、第2次世界大戦までさかのぼります。

 

1949年:中華人民共和国を建国


第2次大戦中、中国は国内で国民党と共産党で分かれ、揉めていました。

アメリカは国民党を支援していましたが、国民党は敗北。

共産党が現在の中華人民共和国を建国します。

敗北した国民党は逃亡し、現在の台湾を建国します。

 

1950年:朝鮮戦争勃発


冷戦中、資本主義のアメリカと、共産主義のソ連は朝鮮を取り合う戦争をします。

アメリカは韓国側、ソ連は北朝鮮を支援。

結果は、北緯38度線に線を引いて和解します。

この時の中国はソ連側でしたので、当然アメリカは対立関係にありました。

2:手を組むアメリカと中国(1960年〜)

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対立するアメリカと中国の関係は1960年を境に変わっていきます。

 それぞれの立場から見ていきましょう。

アメリカの立場


第2次大戦後、アメリカはいいところがありませんでした。

1962年 ソ連と核戦争一歩手前までいく
1963年 ケネディ大統領暗殺
1964年 ベトナム戦争開始、結果勝てず

一方、ソ連はどんどん力をつけていきます。

この時の国際世論は、

「アメリカは衰退し、次の覇権はソ連だ」

といわれるほどでした。

 

それを危惧したアメリカは、ソ連の味方である中国を自陣に引き入れようとします。

中国の立場


この時の共産党のトップ、毛沢東はソ連を警戒していました。

 

1953年、ソ連のトップ、スターリンが亡くなります。

スターリンは独裁の権化のような人で、

共産主義を推し進めるために、「個人崇拝」を国民に強制しました。

スターリンは、最終的に「神」になろうとしていたのです。

 

しかし、スターリンが亡くなると、次のソ連のトップがフルシチョフになりました。

フルシチョフは、スターリンのやり方を強烈に批判します。

 

毛沢東はスターリンに憧れ、手本にしていました。

そして、毛沢東も「神」になろうとしていた。

 

そんなスターリンを批判するようになったソ連を、毛沢東は警戒します。

ここからソ連と中国との関係は悪化していきます

 

こうしてアメリカと中国は共通の目標ができました。それは、

「ソ連に対抗すること」

です。こうして利害関係が一致し、アメリカと中国は手を組むようになりました。

3:アメリカが中国を育てる(1970年〜)

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中国がアメリカと組むことは、

①脅威だった資本主義アメリカが怖い存在でなくなる

②ソ連はアメリカがバックにいる中国に手出しできない

という点で大成功でした。

 

1976年、毛沢東が亡くなります。

共産主義によって生産性が落ち、経済が崩壊寸前だった中国。そこに救世主が現れます。

鄧小平(とうしょうへい)です。

鄧小平は、中国の経済を立て直すことを目的に動きます。具体的に何をしたのでしょう?それは

アメリカの技術をパクリまくる

ことでした。

 

そんな中国に対してアメリカは支援します。なぜ支援したのでしょう?

当時のアメリカのレーガン大統領は中国支援に対してこう考えていました。

レーガン政権は、中国を後押しすればソ連に対抗できると信じ、レーガン

をはじめとして誰もが、積極的に自由化を進めているという中国の主張を

信じようとし『China 2049』

 

①ソ連に対抗するため

②中国が民主化を目指してると考えてた

この2点の理由から、アメリカは中国に支援していたのです。

4:米中関係が悪化し始める(1989年〜)

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しかし、そんな米中関係も悪化する大事件がおきました。

それは

①天安門事件

②ソ連の崩壊

の2つです。

①天安門事件


1989年、中国で民主化を訴えたデモを、共産党は武力で鎮圧します。(現在の香港

デモも「第2の天安門事件」と呼ばれています。)

犠牲者はおそらく数千・数万だともいわれる大事件です。

「中国はいずれ民主化する」

そう考えていたアメリカは中国に裏切られた形となります。

②ソ連の崩壊

1991年、アメリカにとって最大の脅威だった、ソ連が崩壊します。

「ソ連に対抗すること」

アメリカと中国らこれを大義名分に同盟していたので、ソ連という脅威がなくなったのとで同盟が必要なくなります。

 

ここでアメリカは考えました。

「最大の脅威ソ連が無くなった今、人権侵害国家である中国と同盟関係を続ける必要が

ない」

こうして、中国とアメリカの関係は悪化していきます

5:再び中国とアメリカが手を組む(1993年〜

 

米中関係は悪化したのですが、中国はアメリカとできれば仲良くしたかったのです。なぜかというと、

①アメリカと敵対したら勝ち目がない

②アメリカの技術をもっと奪いたい

からです。

 

そんな理由から、中国はアメリカとの関係改善に努めました。

では具体的に何を行ったのでしょう?

なんと中国は「工作」を行います。

中国の「工作」

当時のアメリカの大統領はビル・クリントンです。「新中派」と一般的に思われているらしいです。

 

しかし、アメリカの世論は「反中」だったため、クリントンは仕方なく中国に厳しい態度をとっていました。

これに対し、中国はアメリカに「親中派グループ」を送り込みます。

親中派グループは徐々に政治家の仲間を増やしていきました。そして、何が起こったか?

ついに1993年末、中国が現在、「クリントン・クーデター」と呼ぶものが起きた。中国に同調する面々が大統領に、反中姿勢の緩和を認めさせたのだ。クリントンがかつて約束したダライ・ラマとの新たな会談は実現しなかった。対中制裁は緩和され、後に解除された『China 2049』

このような中国の「工作」が本当かどうかは私たちにはわかりません。

ですが、ここら辺(1993)からアメリカが中国に対する態度を変えたのは事実です。

 

アメリカと中国は再び同盟を組みました。

では、どんな同盟だったのでしょう?

それは「金儲け同盟」です。

米中「金儲け同盟」

 今までの米中の同盟は

「ソ連に対抗する」

でしたが、クリントン政権あたりから

「金儲け同盟」

として、手を組みます。

 

当時の中国人は、平均月収4300円ほどの賃金でした。アメリカの50分の1です。

安い労働力で生産すれば利益が上がるのは当然です。

しかも、中国の人口は13億人の巨大市場です。

 

「安い労働力とアホみたいに多い人口は金になる」

 

そう考えたアメリカの企業は、ばんばん中国に工場を建てました。

中国にとっても、アメリカからの技術が奪えるので万々歳ですね。

 

こうして、一時は米中の関係は悪くなったものの、「金儲け同盟」として再び手を組み

合います

6:アメリカの自滅(2000年〜)

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1990年代のアメリカは、世界に誰も敵にできないほど最強の国家となっていまし

た。しかし、2000年代に入ると徐々に衰退していきます。

 

2001年に、「ITバブル崩壊」「同時多発テロ」がアメリカを襲います。

 

そして、「同時多発テロ」に対しての報復として、アメリカは2003年、イラク戦争を仕掛けました。

 

しかし、実際のイラク戦争の目的は、同時多発テロの「報復」ではなく、「石油を奪い取る」戦争だったと暴露されています。

『ワシントン17日時事』18年間にわたって世界経済のかじ取りを担ったグリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長(81)が17日刊行の回顧録で、2003年春の米軍によるイラク開戦の動機は石油利権だったと暴露し、ブッシュ政権を慌てさせている。(2007年9月17日時事通信)

 

ここからアメリカの強引なやり方に対して、国際世論から批判されていきます。

それに追い討ちをかけたのが、リーマンショックでした。

アメリカの危機に世界が巻き込まれ大不況に陥ります。

 

イラク戦争により、国際の信用が落ち
リーマンショックで、経済さえも落ちていく


そんな衰退していくアメリカに対して

中国はここから遂に牙を剥き始めます…

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まとめ

今回は、今までの中国とアメリカの関係をお伝えしました!

ざっくりまとめますと、

①最初の米中は対立関係

②対ソ連で米中同盟

③アメリカが中国を育てる

④冷戦終了で再び米中対立関係

⑤米中「金儲け」同盟

⑥米が衰退、中国が牙を剝く

 という感じです。

世界は利害関係で成り立っているのがよくわかります。

今にして思えば、アメリカはモンスター(=ソ連)に対抗するために、更に強力なモンスター(=中国)を育ててしまいましたね。

 

リーマンショック後の中国はいったいどんな行動にでるのか…

気になりますよね?

 

それは次回に譲ります!

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それではまた!

 

次回↓

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参考文献・オススメ本

『米中覇権戦争の行方』扶桑社

『China 2049』日経BP

 

最後まで御観覧ありがとうございました。

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それではまた!