どうも、くるみ学長です。
今回からの講義は、『米中覇権戦争』についてです!
米中の争いはニュースでも多く取り上げられていて、知っている方も多いのではないでしょうか?「米中覇権戦争」とも呼ばれていて、この争いは間違いなく、未来の教科書に載ります。
その上で、皆さんの中には
「え、今戦争してるの?」
「なんで戦争しているの?」
「中国とアメリカはいつから仲が悪くなったの?」
などの疑問がある方も多いはずです。
ですので今回からは、そんな方に向けてわかりやすく解説したいと思います!
今回は、「アメリカと中国が今までどんな関係だったのか?」
について見ていきましょう!
参考にした文献はこの本です↓
「日本一のメルマガ」を書いている、北野幸伯さんの著書『米中覇権戦争の行方』です!
「米中覇権戦争」について、データ・ファクト・ロジックに基づいて、すっごくわかり
やすく解説してくれます。
ぜひ、皆さんにも手に取って頂きたいところなのですが、
その前にこの記事を読んで、ざっくりと知って頂ければなと思います。
それでは早速参りましょう!
- 1:対立するアメリカと中国(1940年〜)
- 2:手を組むアメリカと中国(1960年〜)
- 3:アメリカが中国を育てる(1970年〜)
- 4:米中関係が悪化し始める(1989年〜)
- 5:再び中国とアメリカが手を組む(1993年〜)
- 6:アメリカの自滅(2000年〜)
- まとめ
- 参考文献・オススメ本
1:対立するアメリカと中国(1940年〜)
アメリカと中国との関係は、第2次世界大戦までさかのぼります。
1949年:中華人民共和国を建国
第2次大戦中、中国は国内で国民党と共産党で分かれ、揉めていました。
アメリカは国民党を支援していましたが、国民党は敗北。
共産党が現在の中華人民共和国を建国します。
敗北した国民党は逃亡し、現在の台湾を建国します。
1950年:朝鮮戦争勃発
冷戦中、資本主義のアメリカと、共産主義のソ連は朝鮮を取り合う戦争をします。
アメリカは韓国側、ソ連は北朝鮮を支援。
結果は、北緯38度線に線を引いて和解します。
この時の中国はソ連側でしたので、当然アメリカは対立関係にありました。
2:手を組むアメリカと中国(1960年〜)
対立するアメリカと中国の関係は1960年を境に変わっていきます。
それぞれの立場から見ていきましょう。
アメリカの立場
第2次大戦後、アメリカはいいところがありませんでした。
1962年 ソ連と核戦争一歩手前までいく
1963年 ケネディ大統領暗殺
1964年 ベトナム戦争開始、結果勝てず
一方、ソ連はどんどん力をつけていきます。
この時の国際世論は、
「アメリカは衰退し、次の覇権はソ連だ」
といわれるほどでした。
それを危惧したアメリカは、ソ連の味方である中国を自陣に引き入れようとします。
中国の立場
この時の共産党のトップ、毛沢東はソ連を警戒していました。
1953年、ソ連のトップ、スターリンが亡くなります。
スターリンは独裁の権化のような人で、
共産主義を推し進めるために、「個人崇拝」を国民に強制しました。
スターリンは、最終的に「神」になろうとしていたのです。
しかし、スターリンが亡くなると、次のソ連のトップがフルシチョフになりました。
フルシチョフは、スターリンのやり方を強烈に批判します。
毛沢東はスターリンに憧れ、手本にしていました。
そして、毛沢東も「神」になろうとしていた。
そんなスターリンを批判するようになったソ連を、毛沢東は警戒します。
ここからソ連と中国との関係は悪化していきます。
こうしてアメリカと中国は共通の目標ができました。それは、
「ソ連に対抗すること」
です。こうして利害関係が一致し、アメリカと中国は手を組むようになりました。
3:アメリカが中国を育てる(1970年〜)
中国がアメリカと組むことは、
①脅威だった資本主義アメリカが怖い存在でなくなる
②ソ連はアメリカがバックにいる中国に手出しできない
という点で大成功でした。
1976年、毛沢東が亡くなります。
共産主義によって生産性が落ち、経済が崩壊寸前だった中国。そこに救世主が現れます。
鄧小平(とうしょうへい)です。
鄧小平は、中国の経済を立て直すことを目的に動きます。具体的に何をしたのでしょう?それは
アメリカの技術をパクリまくる
ことでした。
そんな中国に対してアメリカは支援します。なぜ支援したのでしょう?
当時のアメリカのレーガン大統領は中国支援に対してこう考えていました。
レーガン政権は、中国を後押しすればソ連に対抗できると信じ、レーガン
をはじめとして誰もが、積極的に自由化を進めているという中国の主張を
信じようとした。『China 2049』
①ソ連に対抗するため
②中国が民主化を目指してると考えてた
この2点の理由から、アメリカは中国に支援していたのです。
4:米中関係が悪化し始める(1989年〜)
しかし、そんな米中関係も悪化する大事件がおきました。
それは
①天安門事件
②ソ連の崩壊
の2つです。
①天安門事件
1989年、中国で民主化を訴えたデモを、共産党は武力で鎮圧します。(現在の香港
デモも「第2の天安門事件」と呼ばれています。)
犠牲者はおそらく数千・数万だともいわれる大事件です。
「中国はいずれ民主化する」
そう考えていたアメリカは中国に裏切られた形となります。
②ソ連の崩壊
1991年、アメリカにとって最大の脅威だった、ソ連が崩壊します。
「ソ連に対抗すること」
アメリカと中国らこれを大義名分に同盟していたので、ソ連という脅威がなくなったのとで同盟が必要なくなります。
ここでアメリカは考えました。
「最大の脅威ソ連が無くなった今、人権侵害国家である中国と同盟関係を続ける必要が
ない」
こうして、中国とアメリカの関係は悪化していきます。
5:再び中国とアメリカが手を組む(1993年〜)
米中関係は悪化したのですが、中国はアメリカとできれば仲良くしたかったのです。なぜかというと、
①アメリカと敵対したら勝ち目がない
②アメリカの技術をもっと奪いたい
からです。
そんな理由から、中国はアメリカとの関係改善に努めました。
では具体的に何を行ったのでしょう?
なんと中国は「工作」を行います。
中国の「工作」
当時のアメリカの大統領はビル・クリントンです。「新中派」と一般的に思われているらしいです。
しかし、アメリカの世論は「反中」だったため、クリントンは仕方なく中国に厳しい態度をとっていました。
これに対し、中国はアメリカに「親中派グループ」を送り込みます。
親中派グループは徐々に政治家の仲間を増やしていきました。そして、何が起こったか?
ついに1993年末、中国が現在、「クリントン・クーデター」と呼ぶものが起きた。中国に同調する面々が大統領に、反中姿勢の緩和を認めさせたのだ。クリントンがかつて約束したダライ・ラマとの新たな会談は実現しなかった。対中制裁は緩和され、後に解除された『China 2049』
このような中国の「工作」が本当かどうかは私たちにはわかりません。
ですが、ここら辺(1993)からアメリカが中国に対する態度を変えたのは事実です。
アメリカと中国は再び同盟を組みました。
では、どんな同盟だったのでしょう?
それは「金儲け同盟」です。
米中「金儲け同盟」
今までの米中の同盟は
「ソ連に対抗する」
でしたが、クリントン政権あたりから
「金儲け同盟」
として、手を組みます。
当時の中国人は、平均月収4300円ほどの賃金でした。アメリカの50分の1です。
安い労働力で生産すれば利益が上がるのは当然です。
しかも、中国の人口は13億人の巨大市場です。
「安い労働力とアホみたいに多い人口は金になる」
そう考えたアメリカの企業は、ばんばん中国に工場を建てました。
中国にとっても、アメリカからの技術が奪えるので万々歳ですね。
こうして、一時は米中の関係は悪くなったものの、「金儲け同盟」として再び手を組み
合います。
6:アメリカの自滅(2000年〜)
1990年代のアメリカは、世界に誰も敵にできないほど最強の国家となっていまし
た。しかし、2000年代に入ると徐々に衰退していきます。
2001年に、「ITバブル崩壊」と「同時多発テロ」がアメリカを襲います。
そして、「同時多発テロ」に対しての報復として、アメリカは2003年、イラク戦争を仕掛けました。
しかし、実際のイラク戦争の目的は、同時多発テロの「報復」ではなく、「石油を奪い取る」戦争だったと暴露されています。
『ワシントン17日時事』18年間にわたって世界経済のかじ取りを担ったグリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長(81)が17日刊行の回顧録で、2003年春の米軍によるイラク開戦の動機は石油利権だったと暴露し、ブッシュ政権を慌てさせている。(2007年9月17日時事通信)
ここからアメリカの強引なやり方に対して、国際世論から批判されていきます。
それに追い討ちをかけたのが、リーマンショックでした。
アメリカの危機に世界が巻き込まれ大不況に陥ります。
イラク戦争により、国際の信用が落ち
リーマンショックで、経済さえも落ちていく
そんな衰退していくアメリカに対して
中国はここから遂に牙を剥き始めます…
まとめ
今回は、今までの中国とアメリカの関係をお伝えしました!
ざっくりまとめますと、
①最初の米中は対立関係
②対ソ連で米中同盟
③アメリカが中国を育てる
④冷戦終了で再び米中対立関係
⑤米中「金儲け」同盟
⑥米が衰退、中国が牙を剝く
という感じです。
世界は利害関係で成り立っているのがよくわかります。
今にして思えば、アメリカはモンスター(=ソ連)に対抗するために、更に強力なモンスター(=中国)を育ててしまいましたね。
リーマンショック後の中国はいったいどんな行動にでるのか…
気になりますよね?
それは次回に譲ります!
続きが気になる方は、「読者になる」ボタンを押してお待ちください。
それではまた!
次回↓
参考文献・オススメ本
『米中覇権戦争の行方』扶桑社
『China 2049』日経BP
最後まで御観覧ありがとうございました。
もしこの記事を読んで、少しでも為になったと感じてくれた人は、
スターをつけるか読者になってくれるとブログ更新の励みになります!
それではまた!