リベラルアーツ学院

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IS(イスラム国)はなぜ誕生したのか?【タリバン政権 編】

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f:id:kazukazuda08:20200708194754j:plainくるみ学長

どうも、くるみ学長です!
今回から「中東問題」について
講義したいと思います!

皆さんは「中東」と聞くと

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「テロとか多いし怖いなあ」
「いつも内戦で荒れてるよね」

というイメージが多いと思います。 

ですが、イメージだけで恐れていませんか?
きちんと「中東」のことを知って、
正しく向き合うことが大事だと思うんですよ。

アメリカの9.11同時多発テロを始めとする
現在も続くテロの多くは、
「イスラム国」
が関わっています。

「イスラム国」を知ることは、
「中東問題」のほとんどが分かると言っても
過言ではありません。

それでは「イスラム国」の成立の過程を
これから見ていきましょう!

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【基本情報】

1:中東ってどこ?

まず中東とは、
どこを指すかを理解しておきましょう。

世界基準の地図は、

グリニッジ展望台のあるイギリスが中心です。

イギリスから見ると、
「極東」は日本
「東」はインド
「中東」は、インドよりも西側、
サウジアラビアやイラクなどがある
地域を指します

2:中東の簡易地図

中東の地図は覚えにくいと思いますので、
簡易地図を載せておきます。

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全部覚える必要はありません。
これから話すストーリーのなかで、
参考程度に眺めてくれれば大丈夫です。

3:大まかな全体像

最初にイスラム国成立の、
全体像を載せておきます。

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いきなりこれを見ても
訳がわからないと思いますが
ひとつづつ解説していきますので
ご安心ください。

今回はタリバン政権誕生の過程を
追っていきましょう。

【タリバン政権誕生】

1:ソ連の侵攻

 第二次大戦後、
アメリカとソ連との冷戦の時代になります。
ソ連には2つの欲望がありました。

①寒すぎて港が凍ってしまうので、
     凍らない港が欲しい(不凍港)

②領土がでかくて守りきれないので、
    防壁となる周辺国が欲しい(緩衝国)

ソ連の周辺国であるアフガニスタンは、
軍事力が弱かったので
ソ連にとって脅威ではありませんでした。

しかし、
内部のクーデターや頻発する政権交代で、
アフガニスタンはだんだんと力をつけてきます。

それに恐怖を感じたソ連は
アフガニスタンに攻め込みます(1979年)

2:ソ連の支配

ソ連は強いですから、
あっという間にアフガニスタンを支配します。

しかし、ソ連の支配に対して
賛成派と、反対派で揉め合い
内戦状態となりました。

ソ連は共産主義の国です。
共産主義にとって宗教は
「麻薬と同じ」
と考えています。

f:id:kazukazuda08:20200708224326j:plain中東の人々

そんな共産主義の思想が
イスラム圏に入ってはまずい

そう考えた各地のイスラム教徒の人々が、
アフガニスタンに入り、
反対派と協力してソ連に対抗しました

3:アメリカの支援

そんなソ連とアフガニスタンの揉め合いを
影でこっそり見ている国がありました。
それはアメリカです。

アメリカにとって
アフガニスタンはどうでもいいのですが、
ソ連には弱体化して欲しかったのです。

そこでアメリカはこっそりアフガニスタンに
武器を支援しました

しかし、反米国イランを通らなければ
武器を送れませんでした。

そこで、アフガニスタンの東南にある
パキスタンを経由して、大量の武器を
アフガニスタンに送り込むことに成功します。

4:ソ連崩壊

アメリカの支援により、ソ連はなかなか
アフガニスタンを攻めきれません。
そして、やむなくソ連は
軍を撤退することに決めました(1989年)

大勢の戦力の喪失と莫大な費用により、
ソ連はその後、崩壊します。

5:内戦

ソ連が撤退したあと、
アメリカはアフガニスタンを
どうこうしようとする気がなく、
関心を失います。

各地から集まったイスラム教徒も、
それぞれの国に帰ってしまいました。

するとアフガニスタンは
何もない空白地帯となります。

アフガニスタンには様々な民族がいました。
今度は、その民族同士で
主導権争いによる内戦がおこり、
アフガニスタンはぐちゃぐちゃになります。

その内戦を利用したのがパキスタンした。

6:タリバン

パキスタンは隣のインドと対立しています。
それは現在でも続いています。
原因はイギリスなのですが、
今回は長くなるので省きます。

パキスタンの右にインドがいます。
左のアフガニスタンが、
もしもインド寄りの政権になってしまうと、
挟み撃ちになってしまいますね。

安心してインドと戦うためにも、
アフガニスタンには自分の言うことを聞く
政権になって欲しかったのです。

そこでパキスタンは
「タリバン(アラビア語で「学生たち」)」
をアフガニスタンに送り込みます。

7:政権誕生


タリバンとは、
アフガニスタンの内戦を鎮圧するために出来た、
イスラム過激派の学生達による組織です。

アフガニスタンの内戦を鎮圧しようにも
武器はどう調達したのでしょうか?

アメリカがパキスタン経由で武器を
アフガニスタンに送り込んでいた
のは覚えていますか?

その時、パキスタンは全ての武器を送らずに、
ちょっとずつ着服していたのです。

着服したアメリカの最新兵器をタリバンに渡し、
アフガニスタンに送り込みます。 

タリバンは着服した最新兵器によって、
アフガニスタンの内戦を鎮圧。
ここでアフガニスタンに

タリバン政権が誕生します(1994年)

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【今回のまとめ】 

1979年:ソ連のアフガニスタン侵攻
1989年:ソ連軍撤退
1994年:タリバン政権誕生

① ソ連によるアフガニスタン侵攻に
 アメリカが陰で支援し、ソ連軍撤退


②内戦状態のアフガニスタンに
 パキスタンがタリバン送りこむ

③アメリカから着服した武器で
 アフガニスタン制圧。タリバン政権誕生。

 
今回はここまでです。
次回は「アルカイダ編」です!

 

続きが気になる方はぜひ


を押してお待ちください!

それではまた!

「中東」について
 オススメの本

1:池上彰の世界の見方 中東
               〜混迷の本当の理由〜

2:中東から世界が崩れる

3:中東テロリズムは
  終わらない



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