リベラルアーツ学院

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IS(イスラム国)はなぜ誕生したのか?【イスラム国 編】

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f:id:kazukazuda08:20200708194754j:plainくるみ学長

どうも、くるみ学長です。
ついに最終回!
【イスラム国編】です。
それでは早速参りましょう!

前回 【アルカイダ編】

liberalartsblog.com

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【イスラム国の誕生】

1:アメリカの復讐

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同時多発テロが起きた時、
アメリカの大統領は
ジョージブッシュ(息子)でした。

 

息子?と思うかもしれませんが、

ブッシュ家の父と息子、
2人ともアメリカの大統領になっています。

テロに怒ったブッシュ大統領は、
アフガニスタンを攻撃します。

もちろんアメリカの軍事力は最強ですので、
アフガニスタンをあっという間に制圧。
タリバン政権も崩壊しました。

2:イラク戦争

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 イラクはクウェート侵攻の後、
核兵器を作っていました。
しかし国連によって中止にされます。

定期的に核兵器を作ってないか
確認(査察)していたのですが、
急にイラクはその査察を断るようになります。

そうなると

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イラクは核兵器をまた
作っているのでは?


と疑惑が噂されるようになります。

そんな中、イラクのフセイン大統領は
ブッシュ大統領(父)の暗殺計画を
立てていることが明らかになります。

f:id:kazukazuda08:20200710154024p:plain ブッシュ

パパを殺すだと…許さん…!
「イラクが大量破壊兵器を
 作っている疑いがある!」

として、アメリカはイラクへ戦争を仕掛け、
フセインを死刑にしました(2006年)

アメリカは大量破壊兵器を
作っているかどうか疑惑のまま、
感情に任せて戦争を仕掛けてしまったのです。

これは後に多くの議論を巻き起こし、
アメリカは海外から批判を受けます。

3:イラクが内戦状態に

 ブッシュ大統領はフセイン政権を潰した後、

f:id:kazukazuda08:20200710153307p:plain ブッシュ

あとは勝手に
民主化してくれるでしょう!

と考え、イラクからアメリカ軍を撤退します。

しかし、イラクに限らず中東やアラブの国々は、
ほとんど国王による統治か、クーデターによってできた
軍事独裁政権の歴史しかありません。

そのため自分たちが選挙で代表を選ぶ
という経験がまったくない。

そんな中で、
民主主義の国をつくりなさいと言われても、
何をしていいかわからなかったのです。

それがきっかけでイラク内は混乱、
内戦状態になります

4:スンナ派とシーア派

イスラム教の指導者選びには、
スンナ派とシーア派という2つの派閥に分かれます。

イスラム教の始祖ムハンマドの後継者を
子孫にするのが、シーア派
子孫ではなく、
実力者がなるべきだというのが、スンナ派です。

子孫にシーア、子孫にスンナで覚えると簡単です。


イラクはシーア派が多数派です。しかし、

少数派であるスンナ派・フセイン政権が統治していました。

 

スンナ派のフセイン政権が無くなり、

初めて自由選挙が行われます。

当然、多数派であるシーア派が選ばれます。

今までスンナ派に悪いことをされてきた、
シーア派がスンナ派に復讐を開始します。

なんと「スンナ狩り」という、
スンナ派を殺しまくるという残虐な行為が行われました。

5:イスラム国誕生

「スンナ狩り」をされた
スンナ派の一部の人間はこう思います。

f:id:kazukazuda08:20200709221535j:plainスンナ派

全部、元を辿れば
アメリカのせいじゃねえか、

アメリカぶっ潰してぇなぁ

そこに、ある組織がやってきます。

 

f:id:kazukazuda08:20200709221057j:plainアルカイダ

アメリカを潰したいのかい?
俺たちと協力しようぜ!

それはアフガニスタンのアルカイダでした。
ここでなんと
アルカイダとスンナ派の過激派が融合するのです。
そしてここで、IS(イスラム国)が誕生しました。

イスラム国には自称です。
世界には「国」として認められていません。


その後、スンナ派の過激派とアルカイダは
方向性の違いで脱退します。

残ったイスラム国のメンバーが現在
「最もヤバイグループ」
として扱われています。

イスラム国は
アルカイダとスンナ派の過激派から
技術や情報を吸収して、
さらに拡大していきています。

そして、今もなおイスラム国による
テロは各地で起きているのです。

【まとめ】

 ざっくりと今までの歴史をまとめておきましょう。


①ソ連とアメリカの冷戦から、

 タリバン政権と凶悪なビンラディンを生み出す。

②アメリカの勝手なイラク戦争により、
 タリバン政権とビンラディンが融合させ、
 アルカイダができる。
 そして同時多発テロを引き起こす。

③アメリカのいい加減な統治でイラク国内が混乱し、
 虐げられたスンナ派の過激派にアルカイダが接近。
 「打倒アメリカ」をもとに
 「IS(イスラム国)」ができる

【さいごに】

いかがでしたでしょうか?
現在の中東の紛争問題、テロ問題は
こんな歴史が裏にあった
というのが理解できましたでしょうか?

その上で振り返っていただきたい。

アフガニスタンをめちゃくちゃにしたのは、
ソ連とアメリカ

アフガニスタンにタリバンを送り込んだパキスタン。
パキスタンは元々インドでした。それを分断したのは、
イギリス

ビンラディンを追いやり凶暴化させ、
イラクをめちゃくちゃにしたのは
アメリカ

全ては大国が関係しています。そして、
アメリカが特に関わっているのがわかりますね。

別にアメリカを一方的に
批判したいわけではありません。
日本がもし大国だったら、
同じことをしたかもしれないからです。


私が中東問題について調べ教訓となったのは、
「立場を変えると見方がガラリと変わる」
ということです。

アメリカはイラクを攻撃するときに
「これは正義だ」
と大統領は主張しました。
誰もがそれを信じたと思います。

しかし、中東の立場になって歴史を振り返ると、
原因はアメリカ自身にあった。

両者の視点から見なければ
真実は掴めないということです。

アメリカは自ら中東問題を作り出し、
そのツケを払わされている。

そして、今度は中国という「最強の敵」も
アメリカ自ら作り出してしまった。

今後、大国はどんな問題を作っていくのでしょうか?
日本も巻き込まれてしまうのでしょうか?
私達はそれを注視していかなければなりません。

それではまた!

「中東」がよくわかる
    オススメの本

1:池上彰の世界の見方 中東
               〜混迷の本当の理由〜

 

2:中東から世界が崩れる

 

3:中東テロリズムは終わらない



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